「痛み」とは嫌なものです。
歯医者さんに行って虫歯をゴリゴリされ、麻酔の注射を打たれ、神経を抜かれ……といった経験をされた方は多いと思います。男性であれば痛風でのたうち回るような激痛を、女性であれば出産で体が内から割られるような痛みを経験する場合があるでしょう。
肩こり、腰痛、腱鞘炎、頭痛、関節痛と、どんな痛みもそれは嫌なものです。
それが慢性となり、痛みによって生活の質(QOL)が保てない。
家事や仕事ができない、立てない、歩けない、眠れない……となれば、そのつらさはことさらです。
ですが「他人の痛みは10年でもがまんできる」といわれるように、自分に関係のない痛みは、同情こそすれ自分まで痛くなるわけではない。だから、痛みはきわめて個人的な感覚です。
国際疼痛学会では「痛み」を次のように定義しています。
痛みとは組織の実質的あるいは潜在的な障害に結びつくか、このような障害をあらわす言葉をつかって述べられる不快な感覚・情動体験である。
この定義で大事なことは、痛みを単なる感覚の異常としてではなく、「情動」……すなわち精神心理的なものを伴っている、としていることです。痛みとは人さまざまであり、その人の性格、社会的背景も含めて考えなければならないものなのです。
当院は、この情動体験から表現される実際の痛み……つまり精神心理的なものによって引き起こされたり、増幅されたりする「疼痛」をテーマとしたものです。
この「心因性疼痛」は、患者さん本人にも、家族など周囲の人々にも理解されやすいものではありません。心理的疼痛を鑑別する方法を簡単に挙げるとすれば、次のようになるでしょう。
さらに、患者さんによっては、
という方もいらっしゃいます。これらに当てはまらない疼痛の患者さんは、当院の対象ではありません。確かに痛いのだが、その痛みに見合うだけの原因がはっきりしない。いくつもの病院や治療施設を転々とし(ドクターショッピング)、さまざまな療法を試みているのに、ちっともよくならない。いったい私はこの痛みをどうすればいいのか……。そういう患者さんこそが当院の対象です。
慢性疼痛
─「こじれた痛み」の不思議(筑摩書房)
副院長 平木 英人 著より抜粋
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(検査予防接種の受付は17:30まで)
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